あなたに感謝を
【兄さんのその気持ちだけで嬉しいよ、ありがとう!】
そう書かれたメッセージを見て、ジャックは頭を悩ませる。いっそ何がほしい、とか何かしてほしいとか言ってくれればいいのにと思う。
事の発端は、先日LOS†EDENで管理しているInstagramにあげた1件の写真が原因だ。寒くなったのもありファンを気遣うメッセージとともに、なんとなくあげたロビンから貰った防寒具。
自分も何か返そうと思うけど素直に聞くのもなんか嫌だったのであえてああいう形にしてみたが……。
「いつもあんなにくっついてくるくせに、なんでこういうときに限っておとなしいんだよ」
そう吐き出しながらベットに倒れ込む。
「あれ、またメッセ来てる」
スマートフォンの通知を見るとあれからロビンがもう1通メッセージを送ったようだった。中身を見るとかわいらしいお願いがかいてあった。
☆☆☆
「兄さん、今日はありがとう!」
ニコニコと笑いながらロビンは勢いよく僕に抱きついてきた。大きな弟を無理やり引き剥がすと「もっとくっつきたいのに!」と言った言葉が返ってきた。
「お前、ずっとくっついてくるから嫌だ。それで行きたいところは決めてあるの?」
「もちろんさ! なんてったって兄さんとのデートだからね」
「はいはい、それでどこ行きたいの」
「ハラジュクに新しくできたスイーツのお店。兄さんが好きそうなやつも置いてたから兄さんとも行ってみたかったんだよね♪」
そう言ってロビンがスマホを見せてくる。そこにはアンジュと共にスイーツを食べるロビンが映っていた。色とりどりのスイーツがあり中にロビンの言うとおり自分の好きなものもあった。
「美味しそう」
「だろ! ほら、早くいこう」
そう言ってロビンは当たり前のように手を差し出してきた。その手を掴むと、ロビンの手はひんやりと冷えていた。
「冷た、」
「ごめん」
「別にいいけど。お前、人に手袋渡しといて自分のはどうしたの」
「あー……、家に置いてきちゃった」
「まったく」
えへへ、と笑うロビンに僕はため息を吐く。しょうがないな、と思いながら僕は片方の手袋外し、それをロビンにつける。
「これ、今日だけ貸してあげる」
「でもそうしたら兄さんが寒いでしょ」
「はー……、お前、ちょっとは気づけよ」
「え?」
ぽかんとするロビンの手袋をしていないもう片方の手を握る。「これなら寒くないから」と、言うととロビンの嬉しそうな声が返ってきた。
「早く行こ」
照れくさくなりそっけなく言うと、そんなことまったく気にしていないロビンが「うん、行こうか」と道案内を始める。
(……今日こそは僕がお金を出すぞ)
そう決意を固め、他愛のない話をしながらスイーツ店へと向かった。
私の中のロビンはジャックとお出かけは大体ロビンがスマートに会計を済ましてるイメージ