貢ぎ癖のあるロビンの話
「兄さん! これ兄さんにお土産。こないだ食べて美味しかったから、兄さんにもって思って」
ニコニコと笑うロビンから押し付けられるお菓子の山に、ジャックは色々な感情が入り乱れったのちにドン引きしていた。
10年ぶりに再会したロビンとジャック。
当時からロビンのジャックへの好意は熱がすごかった。なにかあればすぐ「兄さん」「兄さん」と、常にジャックの側から離れない弟。そんな弟は会わなかった数年を埋めるかのように、ジャックに絡んでいた。
「……あのさあ」
「ん? あ、もしかして足りない?」
「いや、そんなに貰っても食べ切れないんだけど」
「ああ。それならエリザベスさんたちと食べなよ。兄さんがお世話になってるからね!」
「……」
ジャックは、ロビンの行動に頭が痛くなる。ロビンの過剰な貢ぎ具合にジャックは渋い顔をしていた。
「……ねえ、ロビン」
「なあに、兄さん」
「もっと自分のことにお金を使いなよ」
「え?」
不思議そうに首をかしげるロビンに、ジャックはため息を付く。
「……僕にお金使うんじゃなくて、自分自身のことに使えよって話」
「え〜っ。僕は兄さんに使いたいから使ってるんだよ」
「……」
ロビンの全く悪びれない顔にジャックは、深いため息をついた。
「それに兄さんが喜んでくれるのが僕の幸せだからね」
ニコニコと微笑まれ、ジャックはもう何度目かわからないため息をついた。
「……へんなやつ」
ジャックの呆れたような呟きにもロビンはニコニコと微笑んでいた。
「今度は一緒にお店にいこうか。もちろん、僕がおごるからね」
「…………頼む。自分で買わせてくれ」
ジャックは、もはや懇願に近いような声をあげた。
ジャックに貢ぐのがなにより楽しいロビン。
最初はラッキーって思うけど、だんだん 困惑だったり恐怖のが出てきそうなジャック。あとお兄ちゃんって立場的に少し複雑そう
最初はラッキーって思うけど、だんだん 困惑だったり恐怖のが出てきそうなジャック。あとお兄ちゃんって立場的に少し複雑そう