いつもが続きますように
「サガ♡お誕生日、おめでとう!!」
寝ようとしたタイミングで部屋に訪ねてきたジャックに言われて、サガは今日が自分の誕生日であることに気づいた。
「ねぇ僕が一番乗り?」
「あぁ」
「やった! 嬉しいっ。あのさ、ベスとミストと一緒に色々準備したんだよ。起きたら楽しみにしててねっ」
「……」
とてとてとサガに近寄るジャック。サガが返事のかわりに頭を撫でるとジャックは嬉しそうにへにゃりと笑う。そしてもっとしてくれと強請るかのように、ベッドに潜り込んできた。
「……ありがとね、サガ」
「?」
「サガと出会えて僕、幸せだよ」
「……そうか」
サガはそう言ってぎゅっと抱きついてくるジャックを抱きしめる。ジャックと目が合うと、お互いに笑い合った。
「ねえ、このまま一緒に寝ていい?」
「好きにしろ」
「わぁい! ……でも、ミストにバレたらめっちゃ怒りそー」
サガを敬愛しているミストのことだ。きっとジャックに小言を言うに違いない。その光景を思い浮かべたのか、むすっと頬を膨らませるジャック。するとサガは「そしたら次はベスもいれて4人で寝るか」と返した。
サガの提案に一瞬きょとんとするジャック。しかしすぐ楽しそうに笑った。
「えー、なにそれ。そんな場所ないじゃん」
「……」
「でも、それもいいかもね。楽しそう」
意外と乗り気なジャックに驚くサガ。しかし驚きも一瞬で、結晶化した心臓が温かくなったのをサガは感じていた。
「ってことで! 今日はこのままサガのとこで寝るねっ」
「早く寝ろ」
「! うん。おやすみ、サガ」
そして2人は目を閉じ眠りにつく。
なかなか起きてこないサガを見に、ミストが部屋に訪れるまであと数時間ーー……。